オリジ短編
□kotka2
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…なんてことをしちゃったんだよ、俺。
最低だ。
未季が飛び出して行ってから翌日。
どんなに消したい過去でも、先輩に会ったら気まずいなぁと思っていても、学校はあるわけで。
でも学年から教室の階数まで違う俺達が出会うなんて機会は滅多に無い上、今日から文化祭の準備日だった。
高三を除いたクラスや部活はせわしなく動き回っている。
もちろん颯もその中の一人であり、今は卓球部の集まりだ。
ピンポン玉を使った的当てゲームを行う予定らしく、景品やら何やらで話し合っている。
話し合いは基本部長と副部長の二人でやってようなもので、ほかの部員は皆自由にしているみたいだった。
「はーやーてーくんー」
勾坂先輩に誘われたメンバーのもう一人、直彦がニヤつきながら話し掛ける。
「…ん?何、直彦くん」
「スネるなよー。
昨日は俺と会えなくて、寂しかった?」
「別に」
「ひどいなー颯は…。
で、なんでそんな落ち込んでんの?」
「フラれた」
ニヤついていた直彦の動きが止まった。
颯の失恋。
それは、
直彦の恋が成就することを意味していた。