オリジ長編

□逃避期限
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「今日一日お疲れ様〜」


担任が一礼して、クラスのみんながぞろぞろと校門へ向かう中、ハルとクラスメートのミキが二人で話していた。

ミキも結構なオタクで、フィギュアやアニメ、ロボットなんかが好きらしい。
爽やかな見た目に反してオタクというギャップが女子にウケている。


「春樹はさ、今季のアニメどうよ?」

「なんかバンドものが流行ってるらしいが、俺的にはイマイチだな」

「一度は見てみろって。作画も綺麗だし、音楽もいいしさ〜。ベースの子、めっちゃ俺好み!!」

「これだから恭アニ厨は」

「そう言う春樹は何見てんの?」

「今季は『まいにちははうえ』のみだな。」

「うわ、ウケる!幼稚園児が好きとかどんだけロリコンなんだよ」

「結構感動するエピソードも多いからオススメだ」

「ふーん。見てみるかな」

と、まぁアニメ話に花を咲かせている。
…話しかけるタイミング逃した。
すれ違う友達に別れの挨拶を告げていると、話はどんどん進んでいった。


「そういえば俺の妹の話なんだけど」

「ん、あぁ」

「腐女子なんだよ。でさ、最近ナマモノ萌え?とか言っててよ。
友達の兄貴とその友達はガチだとか言い出して、なんか漫画描いてるんだよな」

「…それは本人が見たら泣く代物だな」

「あぁ、だろ?!それでその受けが…お前モデルっぽいんだよね」

「は、はぁっ?!何を根拠にそんなことを」

「設定が。
幼なじみがいて、妹がいるとか!
ちなみに受けはツンデレ受けで、人見知り。
幼なじみだけには心を許せる……素晴らしい実話だな」

「マジキチ!!この腐男子が!
ホモはショタだけでいいんだよっ!!」

そういえばミキの苗字って、新道だった…。
兄妹揃ってオタクだって聞いたことがある。


…メガネっ子のお兄ちゃんって、ミキ?
確かめたくて話しかけた。

「ミキ、あのさ」

「おぉ秋羅、ちょうどいいところに」

「うっ…」
にこやかに俺を手招くミキの後ろでは、ハルが複雑そうな表情をしている。
俺と目が合った途端、睨みつけてきたけど。
まだ根に持って…って、さっきの話はその写真が原因だしなぁ。

「で、秋羅。何だ?」




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