オリジ長編
□ソレは真実なのか
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「きゅっきゅきゅーん!
マジカル☆おやゆび姫、ただいま参上っ♪」
幼い少女。
桃色のロングヘアーに、フリフリの可愛い衣装。
声優は俺の大好きな、椿野あや。
かすみんと同じくらい、大好きなキャラ。
HDDに録画した『マジカル☆おやゆび姫』を見ながら、俺は猛烈に悩んでいた。
「パンチラしたおやゆび姫たんを見ても、興奮しない…」
なん…だと…?
どうした俺。
賢者モードに入ったつもりなんかないのに。
いつもなら純白のそれと、かわいらしい悲鳴をあげながらもミニスカートを揺らし戦う、その姿に胸のときめきみたいなものを感じていたはずなのに。
例えるなら、恋。
眼鏡が予備の黒縁フレームだからだろうか。いや、眼鏡は関係ないか。
「きゃあぁああぁっ!
や、やだぁ、恥ずかしいよぉ」
土曜朝9時という時間帯にもかかわらず、臀部をさらけ出す少女。
かわいい、とは思う。
うん、可愛い。今日の作画監督はアタリだ。
ただどうしても「萌え」られない。
胸が高鳴らない。病気?
「お兄ちゃんっ!!」
「は?なんだよ夏那邪魔すんっ…」
突然怒鳴るパジャマ姿の妹の後ろには、冷たい眼差しでこちらを見る全身灰色の女子達が…。
…ってうわぁあぁあぁぁぁあぁあああ!!!(AA略)
考え事なんかするんじゃなかった。つーか、見なきゃよかった。
まだこいつら居たのに!
あーあーあーどうした俺!冷静な判断力が無くなってきてる。
しかもちょうど今、おやゆび姫たんパンチラして…る…。
それをみなさん、見ていらっしゃる…。
下等動物でも、見るように…。
オワタ\(^o^)/
後方では夏那のため息、女子のひそひそ声が聞こえ、前方のテレビでは、おやゆび姫たんの悲鳴が聞こえる。
ほんっと、もういやだ。
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