半魔双子の日記
□第3話 朝から兄弟喧嘩
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兄の日記 2
3月3日 天気 朝から黒雲
開店前に、近くのシマから黒髪の美女2.5人の訪問を受ける。
彼女らの台のあるじが、以前散歩途中に黒馬に乗って通りかかったことがある。
甲冑の趣味が悪かったので、俺の黒いのを貸してやっても良いと話したことがある。借りに来たのかと応対に出る。
大人の美女二人が、人の顔を見て妙な笑いを浮かべ、携帯を差し出した。
ミッキーマウスの新型携帯を見せたくて来たのかと手に取ると、1日付けの愚弟の日記が目に入る。
読んでいるうちに、驚きと怒りで髪が逆立つ(オールバックなので外見上の変化はない)。
…愚弟は、小さいころから虚言癖があり、「バージルはママと一緒に悪魔の王さまに殺されたんだ。」などと警察に証言して、ゲーム作家や漫画家を混乱させた前科がある。
おかげで俺は、墓を作られたり戸籍を失ったりと、どれほと迷惑したかわからない。
最近やっとゲーム会社で定職を見つけ、兄弟で協力して働いていたというのに、またぞろこんなことをしでかすとは。
怒りでDTゲージが満タンになり、思わず魔人化してピンクの服の美少女を泣かしてしまった。謝って、女性達には帰ってもらう。
ダンテ、いつまで寝ている。ちょっと起きろ。
…パジャマのままでいいから、ここへ来て座れ。
正座!
兄さんの目を見て話せ…。
(其の2に続く)