ネロの日記

□第1話 睫毛と閻魔刀
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キリ番リクエストで、お二人の方から
「かっこいいバージル」
「ネロとバージル」
というお題をいただきましたので、ひとまとめで書いてみたいと思います。
状況としては、お持ち帰りシリーズ4ダンテの続きな感じです。


『とある日のネロの日記』

オッサンに用があって、うす汚い町のうす汚いスラムを訪れた。用件を考えただけでも、腹が立つ。
下品なピンクのネオンが付いた建て物は、見間違いようがねえ。ドアを蹴り開ける。


(挿絵:カシスさんより)



「ごめんなさあい!失礼しましたあ!」
「こら待て子供。何か勘違いしてるだろ」
「おじゃましましたあ!」
「何で慌てて逃げる?」
「大人の時間に失礼しましたあ!」
「それが勘違いだと…お前ネロか?ネロじゃねえか!」
俺のフードをがっちり掴んでいた赤の男を振り返る。
「…ど、ども。キスの途中を邪魔する気はなかったんだって」
久しぶりに見たオッサンは相変わらずガチムチだった。で、元気に爆笑。
「キス?…ハッハハ!
まつげを取ってただけだぞ?…こりゃまた古典的な勘違いしてくれるな、坊や」
「な、なんだ…(ほっ)。
坊やって言うなよ」

「おい、睫毛はまだ取れてない。役立たず、クズ、ヒゲ、ゼイ肉」
この声はオッサンの年下の兄さんだな。どっちが俺の父親だとかで散々ケンカしてたワリに、一緒に暮らしてんのか。関係と存在のどっちも、異次元並に歪んでると、俺は思う。
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