空は紅
□今更とか今更?
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『え、
部活ゥウウウゥゥゥ!?』
婆娑羅学園に、一人の叫び声が響き渡った。
09:あの、すいません退部届けに判押してもらえますか?
「何だ風舞ー、お前まだ部活入ってなかったのかー?」
目の前にいる私の担任、前田利家先生が日誌に目を通しながら言った。
ここは職員室。先生達の溜まり場。
前田先生の隣で、私は驚きながら立っていた。
『いや、入ってなかったのかーって!私生徒会ですよ!?雑用の常任委員だけど・・・』
「いやーうちのクラスの奴等はあれでも全員部活やってるんだぞ?
それに、生徒会も毎日あるわけじゃないしなー」
『そりゃそうですけど・・・』
あの委員会のせいで部活なんかやれる体力ないよー・・・。
私は、一つ大きなため息をついた。
「うん!お前が頑張っているのはよく知っているぞ!だから、好きなこともやって欲しいと俺は思うのだ!」
前田先生はにっこりと笑って私を見た。
好きなことって言ってもなぁ・・・。私はゆっくりしたいんだけど。
そう思いながら、私は頷いた。
前田先生は日誌を閉じて、私に体を向ける。
その姿は、まさに教師だ。
元々教師だけどね。
「今日は、ゆっくり部活見学をしていくといい」
そういって、私の肩をぽんぽんと叩いた。
・・・まじで?
『部活かー・・・』
広い廊下を歩きながら、私は一人呟いた。
うん、確かに伊達先輩が軽音楽部をやってるって言ってたから、部活やるのかとは思っていたが・・・。
(番外編:グラウンド参照)
自分でやるとなるとめんどくさい。
何があるのかも分からないし・・・何で帰宅部がないんだこの学校は!
忙しいんだぞ私は!
・・・とりあえず、体育館と武道場に行ってみよう。
+体育館+
「「「キャアアァァァァ!!」」」
『ギャアアアアァァァ!!!』
突然、鼓膜が破れるかと思うほど大きな叫び声が聞こえた。
驚いた私は、女とは思えないほど酷い叫び声をあげてしまった。
恥ずかしいぞ畜生!
『な、何だこれは・・・』
体育館の中は、何か女子でいっぱいになっている。
え、何で?そんなに皆運動がしたいのか?
・・・変態かよ。
「ねぇねぇ!佐助先輩のシュートの瞬間見た!?」
「見た見た!入ると確信したときの笑顔と、あのハラチラ!」
「慶次先輩とのハイタッチとか、もう慶次先輩の笑顔サイコー!」
「あたし写真とったのよ!」
「私、録音もしたわ!」
「私はビデオにとったんだから!」
違う意味の変態が居た
『やばい、来なければ良かったかも・・・・・』
深いため息をついて、私はうなだれた。
部活でこんな盛り上がるわけがない。
えっと、佐助に慶次・・・・・?
あれ、聞いたことがあるのは気のせいなのでしょうか。
「あれ、風舞じゃんかー」
下を向いて考え事をしていると、突然上から声が降ってきた。
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