拝啓、父上様
ご無沙汰しています。
突然ですが、
貴方の息子に家族が出来ました――
□□ adult only □□
「………そーですよねぇ。そんなこったろーと思ってましたよ」
「あれ、呑まないんですか?ならソレ、俺にくださいよ」
「呑みますっ!呑みますってばっ!!」
言いながら俺の猪口に手を伸ばす彼から急いでソレを回収して口を付ける。
その反動を受けて、並々と注がれていた酒が右手を伝って卓袱台の上に零れ落ちた。
俺とイルカ先生は今、正に『オトナの誕生日パーティー』を敢行している。
そう。
それは俺の期待したムフフな『イチャパラ☆パーティー』ではなく、20歳以上のオトナにのみ許される『酒盛り☆パーティー』だったのだ。
「ああっ勿体無いッ! この酒凄く貴重な酒なんですよッ?!」
イルカ先生が用意してくれたのは大吟醸の中でも中々手に入らない幻の銘酒と呼ばれている酒だ。
幾ら聞いても入手先を明らかにしようとしないのだが、大体の見当はついている。
確かイルカ先生の誕生日の際、アスマが酒を頼まれたと言っていた記憶があった。
(あんにゃろーこんなイイ酒贈りやがって…さてはイルカ先生をモノで釣ろうって魂胆かッ?!)
無愛想な髭面を思い浮かべながら歯軋りをする。
イルカ先生は奥に台拭きを取りに行っていた。
(フフン残念だったな髭めッイルカせんせーは正式に俺の奥さんになったんだーよ)
想像の中のアスマに向かって勝ち誇った笑みを浮かべていると台所から戻ってきた先生に怪訝な顔をされた。
「何ニヤニヤしてんですか。って右手も酒まみれですよ…ったく子供なんだから。手、貸して下さい」
イルカ先生が卓袱台を拭く手を止めて俺の右手を掴む。
『もう27歳なんだけどなぁ、自分で拭けるのになぁ』なんて考えていた俺の思考は、次の瞬間空の彼方へぶっ飛んだ。
柔らかく握られた俺の右手が俯き加減の彼へ引き寄せられる。
口元から赤いモノが覗いたのが見えた。
ぺろり。
まるでスローモーションを見ているかのようなゆっくりとした動き。
彼が、
俺の指を舐めていた。
「うわぁぁぁぁッ!!どうしちゃったのセンセッ?!」
驚きの余り引っ込めようとした俺の手をしかっりと掴んだまま、彼は熱心に舐め続けている。
耳まで真っ赤にして、羞恥に濡れた瞳で。
(ちょっと…ッ! その目、ヤバイってッ!!)
ぴちゃ、ぴちゅ。
一本一本を丁寧に、まるでキャンディーか何かを舐めるかのように。
俺の指が彼の熱い口内へ迎え入れられて、柔らかい内壁に包まれた。
(か…っ下半身直撃…ッ)
身体中の血液が1点に集中していくのが分かる。
彼が咥えているのは自分の指だと分かっていても、有能な俺の脳は勝手に違う映像へと変換してくれた。
「だって……折角貴方の誕生日に開けようと取っておいたのに、勿体無いじゃないですか…」
漸く俺の指を離した彼が真っ赤な顔を伏せたまま、消え入りそうな声で呟いた。
熱い吐息が彼の唾液に濡れた俺の指に当たる。
もうそれだけで俺の暴れん坊は吐精しそうな程に暴走寸前だった。
「せ、先生俺っ、もう1つパーティーヤりたいデス!」
彼の頭が少しだけ下を向いたのを確認して、一目散にベッドへと移動した。
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