海馬総受け(旧)

□嘘から出たハプニング?
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海馬の手がゆっくりと上にあがあったかと思うと、なんと城之内の首にその手が巻きついてきたのだ。

必然的に、海馬が城之内を抱き締める格好になる。


城之内は頭が一瞬で真っ白になってしまった。


目の前には、海馬の髪。ふんわりといい匂いが漂ってくる。

ぴたりと合わさった胸からは、海馬の心臓の音が響いてきて。

かすかに漏れる吐息は、城之内の耳を直撃した。




「……克也」




首に顔を埋めた海馬が、囁いた一言に



城之内は思わず海馬の背に腕を回してしまったのだった。







しばらく抱き合ったままの状態が続く。

城之内は思わず回してしまった腕をどうしようか、困惑していた。


だが、そんな困惑をよそに、海馬が身を離す。


じっと見つめてくる瞳は、うっすらと濡れているように見えて、



はっきり言って………そそる。




だが、だが!!!

今の城之内は昨日までの城之内とは違うのだ。


「……克也…」


そして、海馬は瞳を伏せた。


そのまま、ゆっくりと顔を寄せてくる。


背後にある窓から優しい風が吹いて、城之内と海馬の髪をさらりと揺らした。














だが、そんな静かな雰囲気とは裏腹に、城之内はパニック寸前。


きゃ〜!!

こ、コレは明らかに……



ちゅ〜してって言ってるよな!?




そ、そんなこと言われても、俺初キッスもまだなんですけど〜!?

って、そんなのわかんねえか。……もう、経験済みなのか…?



え、まさか………この海馬と?



そんなことをつらつら考えている内にも、海馬の顔は、唇はゆっくりと迫ってくる。


その顔をよく見てみれば、長い睫毛。

白い肌。

今まで見てきた顔とは全く違う。

艶やかな……顔。




でも、



それでも……





「うぎゃ〜!!!!!ゆ、許して〜!!!」


城之内はあまりの光景に耐えれず、海馬の身体を押しのけたのだった。



思わず海馬を押しのけてしまった城之内。

だが、その一瞬後に後悔が一斉に襲ってくる。


し、しまった。

海馬を拒否ってしまったぜ!!



恐る恐る海馬の顔を見てみると………


なぜか勝ち誇った顔に直面した。




「やはりな」



海馬はそのままニヤリと笑った。


「へ?」


訳がわからないといった感じの城之内。

だが、海馬はそれを無視して言葉を続けた。


「貴様、頭を打ったショックで記憶が後退しているのだろう?」

そう海馬は腰に手を当て言い放った。






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