海馬総受け(旧)

□束縛
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心を殺す方法があったなら






教えて下さい。






こんなにも辛いなら…






そう…無ければよかった。






心なんて……。






「束縛」







久しぶりの学校。

もう一人の遊戯がいなくなってからの。

…ついこの前まであんなに一緒だったのに。

朝初めて見た遊戯の顔は酷いもんだった。真っ赤な目で、腫らして。

泣いてたの……ばればれ。
何て言ったらいいのか…。
自分だったら…?そう考えるけど…やっぱり何も言えなかった。

城之内は無言で遊戯の頭をぐしゃっと撫でた。






「分かってる…わかって…るよ?」






力なく笑う遊戯を…抱きしめてやりたいと、そう思った。






授業中、城之内は空ばかりを見ていた。

さっきまで遊戯を見ていたんだけど…あいつら……授業中でも心の中でよく話してて。

後で「聞いて聞いて〜もう一人の僕ったらね〜」なんて言いながらよく俺のところに走ってきてたんだ。




でも、あいつはもういない。




遊戯もこういう小さなことで、たかが授業中にお喋りをする、いや、そんな小さなことだからこそ……辛いんだ。

実感するんだ。




半身はもういないのだと。





そんな遊戯を見ているのが辛くて……青空に逃げ込んだ。





でも駄目だった。気分が堕ちているときは…そんな考えしか浮かんでこない。

いつもならどこまでも続いている青空に大きな期待を込めて見上げていたのに。





今の俺には…忌まわしいものにしか……見えなかった。





どこまでも続いているわけじゃない。それにいやがおうにでも…気づかされたから。






ただ……そんなくすんだ青空は…あいつを彷彿とさせた。






そんなとき、担任が急に口を開いた。

「残念な知らせだが…、海馬が高校を中退することになった」

自分が考えていた人の名前が出てびっくりした。

だがそれ以上に、「中退」の言葉に頭が白くなった。






海馬瀬人…俺の親友だった…もう一人の遊戯の……恋人。










…不覚にも……俺の想い人でもある。


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