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□甘い菓子
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【独占(ヒトリジメ)】
 ...奏で愛の2人



「そういえば,」

まるで大型犬のような後輩は,楽器を手入れする手を止めてこちらを向いた。

「先輩って,彼氏いるんですか?」

……この駄犬が。
私は頬がひきつるのを感じながら,なるべく爽やかに答えた。

「いないけど,何か?」
「まじっすか!」

一瞬にして輝かんばかりの笑顔になった。
それが,なんだか,無償に,ムカつく。

「そうよ,どうせ私は独りよ。だってそうでしょ?朝は早くから,夜は遅くまで練習で,土日だって休みはないし,下手したら放課すら部活に費やしてるのよ?」
「…お疲れ様です」
「そんな生活の中で,彼氏を作って,あまつさえいちゃいちゃなんてできる訳ないでしょ!?」

勢いに任せてまくしてるように言い切ったところで,我に返って咳払いをした。
こんなことで取り乱すなんて,自分が恥ずかしい……。

「……悪い?」

顔が熱いのを感じながら尋ねると,

「いえ」

彼は微笑んだ。

「むしろ良かったです」

それは一体,

「どういう意味かしら?私なんかに彼氏がいたらおかしいってこと?」
「そんなの,思ってすらないですよ」

じゃあ,どういうこと?と尋ねると,彼は目を細めて笑った。

――そう言う仕草をしているときは,犬になんか見えないのに。
ちゃんと『男の子』なんだなって意識してしまうぐらいには,かっこいいのに。


「だって,先輩のこと独占できるじゃないですか」


彼は続けた。

「彼氏とかいるんならちょっと気が引けるけど……,いないんなら,」


俺,遠慮しませんから。


「……真顔でそういうこと言うの,やめなさいって」
「そういうってどういうことですか?」
「だから,そういうことよ」
「ちゃんと言葉で言ってくださいよー」
「吹奏楽部員でしょ?声のトーンで察しなさい」
「無茶苦茶です!」

本当に,とんだ犬だ。

従順で,人懐っこくて,それでいて独占欲まで強いなんて。


でも,懐かれて悪い気はしない。

それどころか――





―――――――――――――

最近この2人で色々考えるのが楽しくてしょうがないです。
ああああ続き書きたいいいいいry



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