不思議な出会い
□夢の中
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とある日の昼休み、一人の女学生が校舎裏へと歩いて行く。
学校の敷地内にある大きめの木の下で寝転ぶ。
ここは人があまり来ない。
木の陰で日も当たらず絶好の昼寝場所だ。
毎日の授業も退屈で、学校生活も刺激が少なく暇を持て余していた。
昼休みもここで昼寝することが日課となってしまった。
制服のポケットからスマホを出し、目覚ましアプリを開く。
昼休みの終わる5分前にセットし、目を閉じる。
今日は風が優しく吹いている。
そんな風を感じながら、ゆっくりと意識を手放していく。
そのまますぐ、寝息を立てて眠ってしまった。
ザー、と言うノイズが聞こえ目を開ける。
最初に目に映ったものは、大きな木の上に広がる薄い桃色の空だった。
「・ ・ ・は?」
ガバッと起き上がる。
周りを見渡すと、いつもの学校だ。
変わっているのは、空の色だけ。
では無かった。
物音ひとつしない。
風の音も。いつも遠くから聞こえてくる他の生徒たちの声もしない。
「ここは・ ・ ・、夢?」
現実ではないであろうこの場所。
「なんなんだろこの夢・ ・ ・って、うゎ?!」
突然、何かに手を引っ張られその場に立たされる。
そのまま見えない“何か”に右手首を掴まれ引っ張られる。
どこかへと連れて行かれるようだ。
どうせ夢だし、いっか。と軽い気持ちで見えない何かに身を任せた。
「ここは・・・?」
たどり着いた先は、荒れ果てた小さな倉庫だった。
倉庫の前に立つと、手を引っ張っていた“何か”は私の手を離し消えてしまった。
「学校にこんなところあったっけ・・・?」
少し好奇心もあってか、入ってみることにした。
それがあんな運命が待ち受けてるとも知らずに・・・。