小さな戦士達
□入り込んだ世界は
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「・ ・ ・先生、やはり記憶が混乱しているんですよ・ ・ ・」
「うむ・ ・ ・、やはりか・ ・ ・」
・ ・ ・え?なんなの・ ・ ・?
記憶が混乱している?
いやいや・ ・ ・、正常に動いてますけど・ ・ ・
「あの―」
「キミはWあの事故Wのことを覚えているかい?」
「Wあの事故W?」
Wあの事故Wってなんなの・ ・ ・?
そう思っていると医師たちは「やっぱり覚えてないか」と
なんのことなの・ ・ ・?
もうまったくわかんないよ・ ・ ・
・ ・ ・頭痛くなってきた・ ・ ・
頭をかかえていると医師たちが会話を止める
「頭が痛むのかい?」
「・ ・ ・はい」
「そうか・ ・ ・、まぁ、目覚めたばかりだしなしかたないか。それじゃあ、失礼するよ」
そう言うとイスから立ち上がり、部屋から出て行こうとする
「また明日・ ・ ・、真実を教えるよ」
医師はそう言うと看護師の2人と共に部屋から出て行った
3人の出て行った部屋はとても静かになった
その静寂のなか機械のピッピッ、と言う音だけが響く
この機械ってなんの意味があるんだろう・ ・ ・
なんてことを考えながら窓の外を見ると紅く空が染まっていた
夕方だったんだ・ ・ ・
・ ・ ・さっき医師に言われた言葉
「また明日、真実を教えるよ」と言う言葉
真実、ってなんなんだろう・ ・ ・
「あ〜、ダメだ。よけい頭痛くなる」
そうつぶやくとバタッ、とベッドに倒れこみ、天井を眺めていると、さっきの医師の声ともう一人、誰かの声が聞こえきた
「・ ・ ・ ・まないな」
「・ ・ ・ ・ ・ですし、・ ・ ・ました」
もう一人は誰の声だろう・ ・ ・
さっき言ってたWあの子Wかな
・ ・ ・なんだろう。この声、どこかで聞いたことがある・ ・ ・
男の人の声で、1回だけじゃなくて、何回も聞いたことのある声・ ・ ・
ちゃんと聞いてみたい、と思い、ベッドから降りて扉に耳を近づける
「本当にすまないね・ ・ ・。こちらからよんでおいて・ ・ ・」
「いえ、仕方のないことです」
「明日なら会えると思うんだけど・ ・ ・」
「・ ・ ・わかりました。また明日来ます」
そこで話が途切れた
ベッドに戻り、男の子のことを考える
ん〜・ ・ ・誰だろう・ ・ ・
どうも思い出せない・ ・ ・
と、言うか、私を心配してくれるような男友達なんていたっけ?
・ ・ ・いや、いない・ ・ ・
だって・ ・ ・
でも、どこかで聞いたことのある声
どこで聞いたことあるんだっけ・ ・ ・
・ ・ ・ダメだ。考えれば考えるほど頭が痛くなる
・ ・ ・今日はもうやめよう・ ・ ・
また、明日
そう思いバタッ、と倒れる
また・ ・ ・明日・ ・ ・
そのまま睡魔に襲われ、目を閉じ意識を手放した
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