メモリー

□出会いは偶然
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翌日も朝から公園へと行く

朝からはいないかな、と思ったけど不動くんは昨日と同じ場所にいた

不動くんはこっちに気づいたようで


「福田、早いな」

「うんっ」


ニコッ、と笑顔で返す


「じゃあ、始めるか」

「うん!」












あの日から毎日、毎日公園に行っては不動くんとサッカーの練習をした

おかげで不動くんと同等に戦えるくらい出来るようになった


公園で不動くんとサッカーをしている時間が楽しかった




だけど、不動くんと出会ってから半年が経とうとしていたとき・ ・ ・



「引越し?」

「うん・ ・ ・、明日、引っ越すって・ ・ ・」


突然に決まったことだった

理由はよくわからなかった


せっかく不動くんと出会えて、サッカーを始めて楽しかったのに・ ・ ・


「そうか、・ ・ ・まぁ、元気でな」

「うん・ ・ ・、あ、これ」


ポケットの中を探ると出てきたミサンガ

昨日、作ったもの


「これ、お礼に作ってきたんだ」

「・ ・ ・ありがとな」


不動くんはミサンガを受け取ると、腕につけた


「明日、何時だ?」

「え?」

「だから、明日何時に出発だ」

「あぁ、えっとお昼頃って言ってたよ」


不動くんはそれを聞くと少し何かを考えたような顔をしてからベンチから立ち上がった


「よし、じゃあやるか」

「え、何を?」

「サッカーに決まってんだろ。明日行っちまうんなら今日教えられるだけのこと教えてやるよ」

「ホント? ありがとう!」


ニコッ、と笑ってみる



その日は日が落ちるまでサッカーを教えてもらった

日が落ち、辺りが真っ暗になった


「もう、真っ暗だ」

「もう終わるか」

「うん・ ・ ・」


もう、か・ ・ ・


「・ ・ ・んな面すんじゃねぇよ」

「だって・ ・ ・」


うつむくと涙が溢れてきた

その涙は落ちては消えていった


「ヤダよ・ ・ ・、せっかく・ ・ ・仲良くなれたのに・ ・ ・」


初めてだったのに・ ・ ・、


そのとき、ポンポン、と頭をたたく手があった


「大丈夫だ、たぶんまたどっかで会えんだろ」


その声はとても優しかった

なにか安心できるものがあった


「うん・ ・ ・」

「・ ・ ・福田、お前」


何だろうと思っていると


「顔ひでぇ」

「・ ・ ・は!?それ今言うこと?!」

「オレは本当のことを言っただけだ」

「・ ・ ・ひっど」


すると、ククク、と笑いだす不動くん


「な、何笑ってるの?」

「涙、止まっただろ?」

「あ・ ・ ・」


確かにいつの間にか涙は止まっていた

もしかして涙止めようとしててくれたの?

でもだからってこんな方法は無いでしょ!?


でも嬉しかった

「ありがとね、不動くん」

「ククッ、単純だな」


私も笑顔へと戻る


「じゃ、帰るか」

「うん・ ・ ・、またね」

「また、な」


不動くんは手を振り闇の中へと消えていった

それを見て私も家へと帰った


明日・ ・ ・




























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