花巻くん攻略本がほしい!

□わっくわーくの修学旅行
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松川side



班行動をしていたはずなのに、芹沢さんがいない。



時刻は6時。


そろそろ戻らないとやばくなる時間。



探さなくちゃ。花巻のこと随分とひどく振ってくれたようだ。



でも俺はまあまあ鋭い方だと思うからわかるが、普通に花巻のこと好きだと思う。



芹沢さんを探さなくてはならないが、時間的に、みんなでは無理なので、みんなには先にホテルに行ってもらい、俺だけで探そうすことにした。



さっさとみつけよ。



なんか頭が固そうな人だから人がいない公園とかにいそうだなと目星をつけ、



周辺の公園を探していくことにした。



そして2番目の公園。



暗い中に入ると人影がある。



うんビンゴ。



肩を叩いた。


「勝手に別行動して迷子とはいい迷惑だね」



「!?」



でも顔を上げた彼女が泣いていて少し後悔した。



「ごめんなさい………ありがとう。見つけてくれて。」



「なに?泣くほど?ならちゃんと一緒にいればいいのに」



「ごめんなさい………恥ずかしいわ。人前で泣くなんて。みっともないわね。ごめんなさい。でも怖くて…」


「いいんじゃないの?泣いても」



そう言って、俺は励ますために頭をくしゃっと撫でた。



「松川くんって大人っぽいんですね」



そう、少し笑って言った。


「うん。よく言われるよ。ほら早く帰ろ?」



「そうですね」



悪い子じゃなくてよかった。



花巻が見る目なし男だったらどうしようかと思ってたんだ。



この子ならきっとこれからもいい人に出会えるだろうと思った。
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