花巻くん攻略本がほしい!

□好きな人の彼女さん。
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屋上についた頃には結構息が上がっていた。



ちなみに勝ったのは私。抜かされそうになった時、クソカワの脛を蹴ったのだ。



「ずるいぞー芹ちゃんー」



「いーのいーの。男でしょ?」



「もう。」



「あーあ!もうだめだ!私、花巻君諦めようかな!どうせ無理だし。」



クソカワの声色が変わった。



「そんな風に諦められるような気持ちなの?」



「…………………………な訳ないじゃん。だったらとっくに違う人好きなってる。日本には、いや、世界には70億人もいるのに、なんで花巻君なのかな?それこそ、クソカワならフリーなのにね」




「…………………………雨、上がらないね。」





「私の話聞いてる?」



「うん。聞いてるよ。」



いきなり何を言い出すんだこいつは。



「好きになる人は選べないよね。それは、不毛だったり、叶ったり、でも運命なんじゃないかな。だから、大事にしなよ。もっと。叶わなくてもいいやって投げやりになるわけでもなく、ただひたむきに。」



「でもそ「わかってる。それは、もう無理って諦めるよりも辛いことかもしれない。でも頑張る価値はあると俺は思うんだよね。」




クソカワは人の心を動かすのが得意なのだろうか。




今の言葉で、私はもう少し、頑張ろうなんて考え始めている。それとも、私が単純なのか。




「うん。もうちょい頑張る!ありがとう」



「???芹ちゃんがありがとうって言った!?」




「うっさい。死ね。帰ろう?教室。」



「うん。でもびちょびちょだよ俺ら。」



「知ーらない、泣きすぎたとでも言っておけばいい。」



「いやいや、俺泣いてないから。」



「うっさい。いくよ。」



「うん。わかったよ。」

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