花巻くん攻略本がほしい!

□ハートブレイク
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花巻side


楽しくダンスをしていてなんとなくふわふわとしていたら、



いきなり及川が来て、芹チャンを連れていってしまった。



なんだか及川が芹チャンのヒーロだななんて感傷的になって馬鹿らしくなってやめた。



でもこの胸の黒いもやもやの感情の名前を俺知っている。



これは……………









嫉妬だ。



胸が苦しくなるやつ。




なんで彼女でもない芹チャンにそんな感情を抱くのか自問自答する前にもうわかっている。



俺は…




芹チャンが好きなんだ。




なんで気付けなかったのか。




ストンっと「好き」と言う2文字は俺の心に収まった。




でももし及川と付き合うなんて報告受けたらどうしよう。



うじうじして情けないなと思う。



でもそれだけ好きだって気づいてる。




すると二人が戻って来た。



二人とも真っ赤な目をして。



「ちょ、、どしたん!」



と優香が##NAME1#チャンのとこに行った。



「ううん!なんでもないよ!笑いすぎて涙出て来ちゃっただけ」



多分優香は嘘だって気づいたんだろう。



でも



「そっか」



そう言った。優香は昔からちょっと自分の気持ちから一線引いたところからものごとを見る奴だった。



だから周りから見れば冷めた子というイメージと思われるが、真逆だ。



感受性は豊かだし、思いやりもあるし、短気だ。



及川のことも多分きちんと好きだ。そしてああ、告られたんだなってことにも気がついてる。



でも今はただ友達の心に寄り添う。



そういういい人だ。きっといつか幸せになってほしいと思う。



でも及川も芹チャンも妙にすっきりした顔をしていた。



優香が少しだけ不安な顔になって聞く、



「で、付き合うの?」



と。



芹チャンはちょっと困った顔になってから



横に首を振った。



それで俺はかなり安堵してしまって、一気に身体中の力がプスーと音を立てて抜けて言ったような気がする。



それを見て及川は、一瞬眉をひそめて



すぐに笑顔になり



「どーしたのー?マッキー」



とどこまで知ってるかわからん顔でニヤニヤ顔で聞いて来た。



目がまだ真っ赤なことは今日は無視してやろう
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