花巻くん攻略本がほしい!

□壊れた心に絆創膏を
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昨日、


優香に呼び出されて片付けの時に起こったことを聞いた。


そして優香は言った。



早くマッキーとくっついて、と。



私は無理無理と首を横に振ったけど、



玉砕でもいいけどさ、気持ち伝えなよ。



いつまで逃げんの?



そう言われて私は逃げてばっかりで綺麗に生きようとしてるなと思った。



だから私は




『あ、明日!放課後!花巻くんにこ、告白する!』




と決心したんだ。



だけどすぐに後悔する。



放課後、花巻くんの教室を除いた時に見えたその景色に息を飲んだ。



花巻くんの彼女さん、が花巻くんを床ドンするような形になっていた。



ガタッとドアにぶつかって音が出てしまった。


「え?葵チャン?」



「ち、ちがいます、!」




意味わからない否定をして思わず駆け出した。



曲がり角で、誰かにぶつかって盛大にこけた。



「いった!あ、すいません!」



その人が運んでいたプリントがバラバラに落ちる。



「いえ、って。中村さんじゃない」



「あ、葵さん!ど、どうも」



「なんで泣きそうなの」



「ゔぅっ、花巻く「はぁぁぁあ」」



「え?」



「また貴ひ、うゔん!花巻くんのこと?いやねあなた、まだ付き合っていなかったの?」



「何いってるんですか!花巻くんは私のことなんて!」




「あなたは何をしたいの?」



その一言は私の心の奥に響く。



何がしたいのか



気持ちを伝えたい。



花巻くんに。



すると葵さんはわたしの心臓のところに人差し指をトンとおいて



「それを精一杯やればいいの。あなたはダメダメだけど、なんだか背中を押してやりたくなるような、そんな人よ。」



彼女がほんわか笑う。



決心が固まる。



ただ花巻くんが好きだということを伝えればいい。



私の言葉をつむいで。



「ありがとう!葵さん!」



「礼を言われるようなことはしてないわ。早くしなさい」



「うん!」



私は逃げてきたところに戻り始めた。



いろんな人にいろんなこと言われてその度にいろんなこと考えて



乙女ゲーは私にとって綺麗だった。



主人公は必ず結ばれるから。



でも現実では



綺麗に生きるためには汚れるしかなくて



泥だらけで生きる方が




楽しいんだ。



そして息が上がってきた頃花巻くんの教室に着いた。



彼女はいないみたいだ。



「花巻くん!!!」



大きな声で彼の名前を呼んで、大きく息を吸い込んで………
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