花巻くん攻略本がほしい!

□出会い
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私が花巻君と出会ったのは、高2の秋。



私は三次元でイケメン探しに励んでいた時期だったため、及川徹にオタク友達の優香と一緒に、一生に一回だとおもって、声をかけに行っていた。



「「あああああ、あのっ!及川さん!」」



すると、超完璧なスマイルを決めて、



「なぁに〜?」



と聞いてきた。隣の優香は落ちてしまったらしい。(早ぇよ)



まあ、確かに乙女ゲーでの優香の好みはあんな感じだ。



逆に私はこういうのは嫌いだ。せっかく見た目かっこいいと思ったのにと心の中で思っていたはずなのに、



「え、ちょっと顔!そんな無駄足だったかみたいな顔しないで!」



ばれていたようだ。




私は溜息をついて、「行くよ、優香」と言った。



しかし、



「及川君!あのあの、私、佐々木 優香です!友達になりませんかー?」



おいおい、なに学年トップとフラグ立てようとしてんの。友達とか言うなよ。



「えー?いいよー!もちろん!優香ちゃんって呼んでいい?」


「はいっ!」


あらら、優香よ、目がハートになっとるぞ。



「そっちの子はー?」


は?私?


「………ボソッ」



「え?ごめんもう一回!なんて言ったの?」



「ウザ川徹さん。よろしくお願いします」


「う、ウザっ!岩ちゃんにも言われたことないのに!」




「ウザ川!ボゲェッ!早く練習戻れ!」



「え、岩ちゃっ!痛っ!」


ウザ川君は岩ちゃんにボールを当てられ、引きずられていった。



「わぁ、仲睦まじいね!及川君ほんっとにかっこいい!」


なにいってんのこいつ。超グロテスクだったじゃん。



優香は感覚がちょっとおかしいらしい。



そんな時だった。



どんっ


「ごめんなさっ!」




思いっきりぶつかってしまった。




その時だった。




ピンクがかった茶色の髪、笑うと見える白い歯、高い背。









の、男の子を私はぶつかってこけた時に、外の中庭を見て、見つけた。



ちなみにぶつかったのは知らないブス面。



失礼なこと言っちゃった。本当なら彼と恋が始まるんだろうけれど、私はガン無視で、外に見入った。




これが私と花巻君の出会いだった。(一方的)



それから、まずは情報収集を王道だから始めた。



わかったことは、


・花巻貴大

・バレー部、ウィングスパイカー(?)

・誕生日1月27日

・184.7、72.0kg

・シュークリーム好き

そんなものだろう。


ちなみにまだ一度も話していない。



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