花巻くん攻略本がほしい!
□出会い
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そして、あっという間に3年になった。
花巻君は、3組。私はというと、
残念………6組。まさかのクソカワと同じだ。
ちなみに優香とも同じクラスだ。昨日から優香からはハッピーオーラがでている。優香の後ろに虹が見える気がした。
私は真逆。とことんついていない。なんのフラグも立たないし、話しさえしていない。
こんな乙女ゲーあっただろうか。
そこで1つ大事なことを思い出した。乙女ゲーは頑張れば報われるようになっている。でもこれは違うんだと。
まあ、諦める気はさらさらないですけど!
なんと優香はクソカワと隣の席だった。
(よっぽど優香とクソカワのほうが乙女ゲー感でてる……)
割とぼっちだった。春野と佐々木は席がかなり離れているのだ。
ちょっとだけショックだ。
でもお昼になって、一緒に食べて元気が出た。
そのまま教室で、優香の前に座って喋っていると、なんと、花巻君がウチの教室にきた。
ズンズンと私の方に近づいてくる。
「え…?ああああ、あの、ちょっと、まっ」
私の目の前まできて止まった。ナニナニナニ!
「なんですかっ「ちょっとごめんね。おーいー!優香ー!英語の辞書貸して〜?」
は?
「おお!マッキー!また同じクラスになれなかったね〜!残念じゃ!ほいっ、これ電子辞書なー」
は?
「おお、ありがとよー」
「あ、ちょっと待って、漫画の新刊、はいっ!」
「おお!これ読みたかったんだよなぁ、すぐ読むわ!じゃ、」
「バイバーイ!」
は?
「ちょっとちょっと優香さんや。ちょいと体育館裏きませんか?」
「いかねぇよ。馬鹿。」
「………ウィッス。じゃなくてさ!ちょっとちょっと花巻君とどういう関係!」
「はー?マッキー?ただの幼馴染だよ」
行ってみたい!ただの幼馴染!
「仲良いの?」
「まあね、昔はよくお風呂とかもはいってたかもね笑」
『昔は一緒に風呂も入ってたじゃん』
と言われるフラグ!いいなぁ、
「なんで、そんな興味あんの?いつも男子はほぼほぼスルーじゃん」
優香には言っとくか。
「私ね!花巻君が好きなの!今攻略中なの、」
「はぁー?」
私の親友は呆れたのと驚きを混ぜた声を出した。
「あんた馬鹿なの?あいつ彼女いるよ?」
「…………………へ?」
私が出会って話してもない相手に振られた瞬間だ。
「おいおい、白目。戻ってこーい」