花巻くん攻略本がほしい!
□生徒会と女子力
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私はクソカワと帰っている。
なんか、クソカワといるの多くね?
心の声が漏れていたらしく、
「及川さんと一緒に居られるなんて素晴らしいでしょう!」
と言って、キュルリンピースを決めてきた。さっきのシャーペンを避けられた仕返しで、
鳩尾に鉄拳を食らわした。
「死ぬ死ぬ死ぬっ!」
無視無視無視。
「そういいえば、花巻君と葵生徒会長ってどういう関係なの?」
「知らないの?!もちろん付き合ってるよ」
「ガビーン」
「白目!すぐ白目になるんだから、気をつけなさい!」
「はーい」
「去年、マッキーが柄にもなく本気で、あおちゃんのこと追っかけ回してたから、みんなですごい応援したんだよー。で、しつこくやってたら、付き合いを了承してくれたんだって。」
花巻君の本気。いいな、私だったら一発で全力で受け取るのに………
でも花巻君本気なんだしなー
私にあんまり、勝ち目はなさそう。
花巻君の幸せを心の中では祈ってるはずなのに、
幸せにするのは自分じゃなきゃ嫌だって言ってる自分もいる。
うーん。好きな人に好きな人がいるのはなんだか複雑だ。
「まあ、俺、今は葵ちゃんを応援してるよ」
「激しくいらなーい」
「もうちょっと女の子っぽくできないの!?あおちゃんはもっと綺麗だよ!」
「なっ!?」
「マッキーは可愛い系じゃなくて、綺麗系が好きなんだよ!」
「ガビーン」
また、白目になりかけた時、
「目潰し!」
と言って、目に指を突っ込まれそうになった。
「次、白目したら、マッキーとは付き合えないと思いなさい!」
むむむ、
「もうちょっと女子力をあげよう。俺、葵ちゃんより女子力ある気がするよ。だから、俺が教えてあげる。」
うーん。クソカワにか……
でも背に腹は変えられないというからな〜
「わかった。じゃあよろしく。」
「明日の朝、いつもより二本早い電車に乗ってきて。俺もそれに乗るから。」
「無理。早起きは美容の敵でしょ?」
「夜更かしね。というか、葵ちゃんに美容の話とかされたくない。」
「どういう意味だコラ」
「そのまんまね、わかった?二本早くね?」
「はいはーい」
こうして私の女子力向上作戦が始まったのだ。
うまくいくかはまったくもってわからない。
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