花巻くん攻略本がほしい!
□球技会
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球技会まで1週間。
今日は男子バレー部の自主練に混ぜてもらえるということで、ギャラリーで練習が終わるまで待っているということになった。
あ、そういえば私、帰宅部ではないですよ。
幽霊部員だけど、美術(イラスト)部にはいってます。
せっかくだから、体育館でも描くか〜と思ったからスケッチブッグを広げて、パイプ椅子を出して、お気に入りの4Bの鉛筆を取り出して左手に握り、すらすらと書き始める。
体育館は意外と狭かった。
ギャラリーを書き終わって、下の階を描き始めようと思った時、
クソカワの綺麗なフォームから飛ばされたボールが、花巻君の手にいき、花巻君が綺麗に振り下ろした腕から放たれたボールがブロック(?)の間を空間を切り裂くように抜けた。
思わず描きたくなった。ページをめくり、まず愛しの花巻君から描いた。
次にクソカワのサーブ。
松川君?だったかな。のブロック。
岩泉ちゃんのスパイク。
どんどん増えていく。
いつの間にか日が傾き、練習を終わりにしていたらしい。
下に行く前に、どのくらい描いたのかと軽い手直しを施していた。
すると、
「芹ちゃんー!終わったよ〜何してんのー?」
クソカワが声をかけてきた。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあ!!」
「うわぁ!ちょっと!びっくりするじゃん!やめてよ。」
「それそのまんまあんたに返すわ。」
「見せて見せて〜なんか書いてたんでしょ?」
「死んでも見せないから」
「じゃあ死んで」
「は?!」
ギャラリーの柵から落とされそうになる。
こいつ笑顔だ。きもい!
「お前がだよ」
私は自慢の怪力でクソカワのお腹に手を回しえび反りをして投げた。
「痛っーい!ちょっと芹ちゃん?!君ばかなの?」
「ふんっ。乙女を殺そうとした罰です〜」
「俺は君が乙女だなんて認めない!」
「クソカワー!!!早くこっち手伝えぇ!」
「いわちゃんー!俺悪くない!」
「岩泉ちゃんもっとやれー!」
「中村〜!俺は岩泉ちゃんじゃねー!」
「じゃあ岩ちゃん?」
「お前クソ村って呼ぶぞ!」
「それはやです。じゃあなんて呼べばいいんだよ!」
「え……そ、それはだな……」
「「ぎゃははは!!」」
岩ちゃんを言い負かすのなんてかーんたん!上から勝利をたたえて及川と大笑いした。
すると今度は下から加勢が。
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