花巻くん攻略本がほしい!

□わっくわーくの修学旅行
2ページ/5ページ

バスの中で今はみんな寝ている。まあ流石に7時間もあれば眠くもなるだろうな。



私は残念ながら絶対に乗り物ではねれない。



寝れた試しはない。



だからといって1人で目をギンギンにさせるのはまずいのでレクリエーションの時も1人だけイヤホンで音楽を流し、「充電中」と書かれたアイマスクをつけて寝たふりをしている。



レクリエーションはめんどくさいから嫌いだ。



しかし今回のレクリエーションはちょっとねれない内容だった。その名も



「ドキドキ!愛してるゲーム!」


だ。愛してるゲームはご存知だろうか。



まあ、まず1人が隣に「愛してる」と言い、言った方も言われた方も照れたら負け。



そして、言われた方は次の人に愛してるというか、



「え?」と聞き返すこともできる。



まあそんな感じだ。そして罰ゲームは好きな人を言うというものだった。絶対に負けられない。



「はーい!じゃあ前の席から!」



と始まった。照れる人はなかなかいない。順調に私まで回ってきた。



前の女の子はノリがいい子で「愛してるぜっ」



と私に言ってきた。



うん。私は次に回さなくてはならない。これ結構拷問。



だって花巻くんだし。



花巻くんはすでににやけている。



ああやだ。でも照れたら告白。やだやだ。



ここは普通に棒読みで!



「愛してるよ」



しかし、



「え?なにきこえないー」



さらにニヤニヤとする



「もう!愛してる!」



声が少しだけ大きくなる。


「え?なになに?きこえないよ?」


やけくそになって



「花巻くんのこと愛してるーーーー!!!!」



と叫んでしまった。



その瞬間、バス全体がシーンとなり、すぐに爆笑がおこった。




ああ死にたい。




顔が真っ赤になる。



そして花巻くんは言った。



「はい。罰ゲームね。」



私はすぐに寝たふりモードになった。



寝たふりをずっとしていたら、肩が重いことに気がつく。



充電中アイマスクを外して横を見ると花巻くんがコテッとこっちに頭をかけていた。



やば!クソカッコイイ。そう思ったがあることに気がついてしまう。



よ、よだれ垂れてる。



可愛い感じによだれが垂れているのだ。



え、複雑。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ