花巻くん攻略本がほしい!

□壊れた心に絆創膏を
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優香side



後夜祭も終わり、今は片付けをしている。



私は及川君とおんなじ持ち場だったから二人で作業している。



私は人に踏み込むのは苦手でいつも一線を引いたところからも見ていた。




でも今そんな余裕なないのかもしれない。




心がクズクズになりそうだ。




及川くんは芹に告ったんだ。



その時点で失恋決定。なんで芹はマッキーに彼女がいたってわかった時そんなに苦しまなかったんだろう。



なんで……



私は泣きそうだ。




でも涙は出ない。どっちかというと隣でずっと鼻をすする及川君の方が私は心配だ。



「ねえ、及川くん」



「ずずっ、なにー?」



「ふられたの?」



「ゔっ、ぐさっとくること言うね、まあそうだよ。知ってたんだけどね〜ホントままならないね、人間ってさ」



この人の壊れた心に絆創膏を貼ってあげたくなった。



もし私にできるなら………



「だから面白いんでしょ、先がわかった人生なんて面白くないじゃん?私もままならないんだよ?例えば、私が及川くんのこと好きだった、いや好きなことは知ってた?」



「?え?」



「あはは、知らなかったよね、いいよ知ってた!」



「あのさ、私と付き合ってほしいな。及川くんの心の傷をすこしでも「ごめんね、今は他の子は、ううんこれからも多分……」



「わかってるの。でもお願い!どーしても!だめ?」



もういま建前はいらない



「なんか意外とわがままなんだね、ちょっと意外だな。でも」



そう、私はわがままだ。



「お願い……、」




「う、そんな目で見ないでよ、なんかいじめてるみたいじゃん」



「じゃあさ、努力してよ。できるだけ早く私のこと好きになって、」



及川くんは困っている顔をしているに違いない。



でもこんな顔見せられないから



ずっと俯いている。



「わかった。じゃあ約束だよ。俺は努力はするよ?でも無理かもしれない。それでもいい?」



「あたぼーよ!」



「ホントキャラ崩壊」



「こっちが素です〜」



「そうなのー?あ、仕事終わったね、帰ろっか」



「はいはーい」



「二人で帰ろう」



「うん!」



すこしでも君の心の傷を治すことができますように!
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